こんにちは。「スーパーのひみつ研究所」所長の彩花です。
店舗を運営していると、頭を悩ませるのが駐車場に関するトラブルですよね。特にお客様用スペースへの無断駐車は、本当に困ったものです。「無断駐車お断り」の張り紙をしても無視されてしまったり、警察に相談しても民事不介入だと言われて対応してもらえなかったりして、途方に暮れている方も多いのではないでしょうか。大切なお客様のための場所を不正に利用されると、売上にも影響しますし、何より管理する側のストレスが溜まりますよね。罰金やレッカー移動を検討したくなる気持ちも痛いほどわかりますが、間違った対応をすると逆にこちらが訴えられるリスクもあるのが怖いところです。
この記事のポイント
- 張り紙を無視する無断駐車に対する法的な考え方
- 罰金請求やレッカー移動のリスクと現実的な対処法
- 警察や弁護士へ相談する適切なタイミングと準備
- 店舗側ができる効果的な予防策と物理的な対策
スーパーの無断駐車で張り紙を無視された際の法的見解

何度注意しても改善されない悪質な無断駐車に対して、私たちは法的にどこまで強く出られるのでしょうか。ここでは、私有地であるスーパーの駐車場における法律の考え方や、よくある「罰金」の効力について、私のリサーチ結果をもとに解説していきますね。
法律上駐車場での無断駐車は処罰可能か
まず大前提として押さえておきたいのが、スーパーの駐車場は「私有地」であるということです。公道であれば道路交通法が適用され、警察が駐禁切符を切ってくれますが、私有地の中では原則として警察による取り締まりは行われません。これがいわゆる「民事不介入」の原則ですね。
そのため、残念ながら無断駐車をしたという事実だけで、相手を直ちに「犯罪者」として警察に逮捕してもらうことは難しいのが現実です。法的には、刑罰を与えるというよりも、土地の所有権を侵害されたことに対する民事上の「不法行為」(民法第709条)として扱うことになります。
ただし、あまりにも悪質な場合や、バリケードを壊して侵入した場合などは、「建造物侵入罪」や「器物損壊罪」などが成立する可能性もゼロではありません。とはいえ、基本的には民事トラブルとして、私たち店舗側が自力で解決策を探らなければならないのが、この問題の悩ましいところなんです。
罰金請求の実効性
よく駐車場の看板で「無断駐車を発見した場合は罰金〇万円を申し受けます」という警告文を見かけますよね。ネット上などでも、「この罰金は本当に支払う必要があるのか?」という質問をよく目にします。
結論から言うと、この「罰金」という言葉には法的な強制力はほとんどありません。「罰金」とは本来、国が犯罪に対して科す刑罰のことなので、私人であるスーパー側が勝手に科すことはできないんです。
看板に書かれている金額は、あくまで「損害賠償額の予定」や「違約金」としての性質を持つと考えられますが、それも相手が事前に契約として同意していなければ成立しにくいと言われています。仮に裁判になったとしても、請求できるのは「近隣のコインパーキング料金相当額」や「実際に被った損害」に限られることが多く、看板に書いた「3万円」や「5万円」といった高額な請求がそのまま認められるケースは稀なようです。
とはいえ、看板が無意味かというとそうではありません。「ここはしっかり管理されている」というアピールにはなりますし、心理的な抑止力としては一定の効果が期待できるかなと思います。
コンビニ等でも発生する車の放置問題
スーパーに限らず、コンビニやドラッグストアなど、広い駐車場を持つ店舗では共通の悩みですよね。特に、長時間にわたって車を放置されるケースは深刻です。
車を何日も放置されると、そのスペースにお客様が停められないという「機会損失」が生まれます。また、放置車両があることで店舗の雰囲気が悪くなり、防犯上のリスクも高まってしまいます。中には盗難車が乗り捨てられているケースもあるため、単なるマナー違反と決めつけるのは危険かもしれません。
もし長期間(例えば1週間以上など)動いている気配がない車両がある場合は、単なる無断駐車ではなく事件性がある可能性も考えられます。この場合は、管轄の警察署に「不審車両が放置されている」と相談することで、盗難車照会などをしてもらえる可能性がありますよ。
ナンバー記録と警告文による証拠保全
張り紙を無視されるような状況になったら、感情的にならずにまずは冷静に証拠を集めることが大切です。後々、損害賠償請求をするにしても、警察に相談するにしても、証拠がなければ話が進まないからです。
記録しておくべき情報
- 発見した日時と終了した日時
- 車のナンバー(地名、分類番号、ひらがな、4桁の数字すべて)
- 車種やボディカラー
- 駐車している位置の写真(背景も含めて)
- 警告の張り紙を行った記録写真
特に写真は重要です。いつからいつまで停まっていたかを証明するために、日付入りの写真や、毎日同じ場所に停まっている状況を継続的に撮影しておきましょう。防犯カメラの映像があれば、それも強力な証拠になります。
張り紙をする際も、「〇月〇日 警告済み」といった日時を記載しておくと、相手が「気づかなかった」と言い逃れするのを防ぐ効果があります。
損害賠償請求のハードル

「これだけ迷惑をかけられたんだから、徹底的に損害賠償を請求したい!」と思うのも無理はありません。しかし、実際に弁護士に依頼して裁判をするとなると、費用対効果の面でハードルが高いのが現実のようです。
一般的な損害賠償請求では、弁護士費用や調査費用で数十万円かかることも珍しくありません。一方で、認められる賠償額は「駐車料金相当額(数百円〜数千円)」程度になることも多く、いわゆる「費用倒れ」になってしまう可能性が高いんです。
ただし、過去の判例では、長期間にわたる悪質な無断駐車に対して高額な賠償命令が出たケース(大阪地裁など)もあるようです。被害が甚大で、相手が悪質である場合は、内容証明郵便を送るだけでも効果があるかもしれません。まずは無料相談などを利用して、専門家の意見を聞いてみるのが良いでしょう。
法的な判断や手続きについては、必ず弁護士等の専門家にご相談ください。
スーパーの無断駐車で張り紙を無視する相手への対策

法的なハードルが高いからといって、泣き寝入りするわけにはいきませんよね。ここでは、張り紙を無視された後に私たちがとれる具体的なアクションや、これ以上の被害を防ぐための物理的な対策について考えていきます。
方法を変えて警告を行う際の注意点
張り紙を無視されたからといって、怒りに任せて強力な粘着テープで警告文をフロントガラスに貼り付けるのは絶対にNGです!
相手の車に糊の跡が残ったり、塗装が剥がれたりすると、逆にこちらが「器物損壊罪」で訴えられるリスクがあります。これを「自力救済の禁止」といって、法律では自分の力で無理やり権利を回復することを禁じているんです。
警告文を設置する際は、以下の方法を推奨します。
- ワイパーに挟む(雨で濡れないようビニールに入れる)
- ウィンドウの隙間に挟む(傷つけないよう注意)
- タイヤとホイールの隙間に挟む
文言も「罰金払え!」と書くのではなく、「当駐車場はご利用者様専用です。速やかに移動をお願いします。記録等の管理を行っております」といった、事務的かつ毅然としたトーンの方が、トラブルになりにくいですよ。
駐車場に物理的な対策を施すメリット
張り紙などのソフト面での対策に限界を感じたら、物理的に停められないようにするハード面での対策も検討しましょう。
代表的な物理対策
- カラーコーン(パイロン)の設置:夜間や閉店後に入口を封鎖するチェーンなどを掛ける。
- ロック板(フラップ板)の導入:コインパーキングのように有料化し、利用者にはサービス券を渡す形式にする。
- ゲート式駐車場の導入:出入り口にゲートを設け、入庫管理を徹底する。
最近では、ナンバー認証システムを使った「チケットレス・ゲートレス」の駐車場管理システムを導入するスーパーも増えていますよね。初期投資はかかりますが、無断駐車を劇的に減らす効果がありますし、警備員を配置する人件費と比べれば、長期的にはコストダウンにつながる場合もあります。
出典:スーパーマーケットやコンビニから無断駐車を無くすには | オプテックス株式会社
張り紙以外の方法で車を管理する手段
張り紙以外にも、相手にプレッシャーを与える方法はあります。
一つは「店内放送」です。もし運転手が店内にいる可能性があるなら(例えば近隣店舗と共同駐車場の場合など)、「ナンバー〇〇のお車、移動をお願いします」と放送することで、周囲の目もあり移動してくれることがあります。
もう一つは「巡回の強化」です。スタッフや警備員が定期的に駐車場を見回り、メモを取っている姿を見せるだけでも、「ここは監視されているな」と思わせる抑止力になります。
また、所有者が特定できない放置車両の場合、陸運局(運輸支局)で「登録事項等証明書」を請求することで、ナンバーから所有者を割り出すことができる場合があります(※私有地放置車両の証拠などが必要です)。所有者がわかれば、内容証明郵便で撤去を求めることができるようになります。
無視を許さないためのスーパー側の運用
最終的には、お店全体で「無断駐車を許さない」という空気を作ることが大切かなと思います。
例えば、「お買い物時間は最大〇分まで」と利用ルールを明確化し、看板を目立つ位置に複数設置する。あるいは、レシートがないと出庫できないシステムにするなど、ルールと仕組みをセットで運用することが効果的です。
また、スタッフ間での情報共有も欠かせません。「あの黒い軽自動車は常習犯だ」といった情報を共有し、見かけたらすぐに声かけ(「いらっしゃいませ、お買い物でしょうか?」と明るく聞くだけでも効果あり!)を行うなど、組織的な対応で店舗を守っていきましょう。
スーパーの無断駐車は張り紙無視への対応が鍵
無断駐車の問題は、放置すればするほどエスカレートしてしまいます。張り紙を無視された段階で、「これ以上は許しませんよ」という毅然とした姿勢を見せることが、被害拡大を防ぐ分岐点になります。
警察は民事不介入で頼れないことも多いですが、盗難車の疑いがある場合などは相談に乗ってくれますし、弁護士などの専門家に頼るべきタイミングを見極めることも大切です。コストとの兼ね合いもありますが、カメラやシステム導入などの物理的な対策も視野に入れつつ、大切なお客様が気持ちよく使える駐車場を守っていきましょうね。
